明石皮膚科院長インタビュー

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明石皮膚科院長インタビュー
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今回は
『開業当時の西葛西周辺について』や『近隣の方達とのかかわり』などをお話しして頂きました。
大変お忙しい中時間を作って戴き、ほのぼのとした気持ちの暖まるお話をありがとうございました。


僕が開業したのは昭和54年でした。
そのときは周りは小松菜畑ばっかりでねぇ。
東西線の西葛西駅はまだ工事をしていたんです。
だから学会に行くのにも自転車で葛西までパーッと行って、電車に乗って大手町まで行く、そんな状況でした。

当時は清新町にマンションを建てるのに、毎日たくさんのトラックが入っていくんです。もうとにかく砂埃がいっぱいで大変だった・・・。
しかも江東区の夢の島でゴミの埋め立てがあって、そこで発生したハエが大量にこっち側にも飛んできて。ハエ取りの両面テープもすぐ埋まっちゃうほどすごかった。


『こんなとこで開業しちゃったよ~』って今は笑えるけど、当時は本当に大変でしたよ。それから3年くらいして清新町が出来て。
清新町は江戸川区の田園調布だなんて言われててね。
うちらは下町の田舎、清新町は洗練された田園調布だなんて笑い話もありました。

今は駐車場になっているけれど、向かいにあった畑をちょっとだけ借りてね。
トマトとかキュウリ、茄子なんかを色々作ったもんです。
それからシーズンが終わったらまた新しいの作って・・・。でも最初は素人だから一杯収穫しようとして間隔を狭くして種をまいたり、苗の背丈を伸ばして多く収穫してやろうとか思ったけれどこれは大きな間違いで・・・。農家の人が親切で色々と教えてくれてね。土地がいいからそんな余計な事をしなくても何個でもとれるんだよね。

それと、西葛西なんて当時まだ人が誰もいないじゃない。
だから時々来てくれる患者さんとお喋りしたり、畑で取れた野菜をあげたりもしましたよ。『もらっていいの?』、『次から次へとできるから持ってって』とかね。

夏は暑いから外でステテコ姿で診療したりね。だって患者さんもステテコでくるんだから。床几だしてそこで青空診察みたいな感じでやったり。
今じゃ考えられないけどね・・・でも色々と楽しかった思い出ですね。


西葛西って何もなかったから、病院は黒川紀章さんの設計で作ってもらったんですよ。
たぶんほとんど知られていないと思うけどね。30年前に作った建物とは思えない洗練されたものでしょ。
当時は10メートルの建築物の高さ制限があってね。
設計が終わって建て始めたらなんと高さ制限撤廃って。『え~!?』って感じですよ。制限がなければもうちょっと余裕のある高さにしていたんだけどねぇ。

当時はこんな建物が増えていけばきれいで整然とした街が作られていくんだろうなと思っていました。そんな想いで黒川紀章さんにお願いしたんです。

僕は全然素人ですけどね。街を作るときは最初の「どんな感じで作るか」ってのが大事なんだと思います。
行政がもっと力を入れて、高さ制限とか色の制限とか駅前をもう少し広くとるとか。
私利私欲でみんながバラバラになったらダメだよね。
西葛西は何もないゼロからのスタートだったんだから。街づくりをもう少し考えてたら整然とした街になってたかなと・・・。
まあ他人の建物に口出すことになっちゃうんですけどね。

『ヨーロッパが一番いい』とは思っていないけれど、あっちは建物の高さが一緒だったり、色も大体統一されていたりね、見た目にキレイじゃない。
上を見るとパッと空が見えたりね。
一方、新宿へ行くとビルが林立していて、建物はさすがに立派なんだけどさ、雑然とした感じがしてね・・・。

僕は街の景観で視覚に入ってくる安らぎとそこに木があること、そして人間の人情味があるってことが必要なんじゃないかなと思ってるんです。
ゆったりして人が安らぎを覚える感じが好きなんですよね。
僕は病院をやる上で患者さんにゆったりとして欲しいと思ってるんですよ。
話だけをしに来る人もいるしね。いろいろ話を聞いてあげたりするのも大切だと思っています。そういうときは薬とかもいらないんだから出さないしね。『いやいや話だけしに来て悪いよ』って言う患者さんもいる。
昔はいろいろと長話も出来たけれど、今はすごく患者さんも増えて、話したいことの半分くらいしか聞いてあげられないことが多くて・・・。


あとは『子供は絶対泣かさない』ってのもポリシーです。やっぱり痛いときもあるから泣いちゃう子供もいるんですよ。
でも小さい子供が泣くときって僕の表情筋が固いんだなって思うんです。だから診察前は鏡の前で笑顔の練習したりマッサージしてほぐしたりね。
それが子供は正直だから判るんだね。帰り際に『バイバアーイ』って手を振ってくれたりして・・・。
子供の患者さんが僕の絵を描いて持ってきてくれたりすることもあるんですよ。
それは本当にとても嬉しいですね。
何年も経ってその子が成長して来たときにその絵見せたりしてね。でももう当人は覚えてないことがほとんど。
そんな子供のお母さんが『子供が成長したから』って言って御礼に『ぬいぐるみ』を持ってきてくれて・・・待合室に置くのに戴くのですが、いくつもくれるので増えていってしまって・・・。
あーだった、こーだった、って報告に来てくれたりもして、患者さんたちの中で僕が身近な存在になっているのかなと思うととても嬉しいです。

だから僕ができることは治療はもちろんなんですが、来てくれる患者さんみなさんに『還元』する事だと思うんですよ。この歳でも学会に出て行くし新しい技術があればそれを使ってあげたいし。
基本的なことですが、『人の気持ちを大切にする』ことって大事ですよね。
解決策にはならないけれども、いろいろと話を聞いてあげると涙する人もいるし。
いつでも患者さんと同じ目線で接するようにしています。
どっちかと言えば僕の性格上、『上から目線』っていうのが出来ないだけなんだけどね。

2010年7月7日 明石皮膚科にて

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